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■睦月――センター試験
不安だらけのまま、この日を迎えてしまった。
でも決めたじゃない。この受験から解放されて、進学先が決まったら、ちゃんとこの想いを伝えるって。
クリスマス以来、秋野とはギクシャクしてる。
もう、こんな関係は嫌なのに……どうにもできない。
ねぇ、秋野はなぜ、私にキスをしたの?
「ダメだ、終わった」
全然集中できなくて、何度も同じ問題読んでたら、時間内に終わらなかった。最後の方は適当にマークした。
これでダメなら次で頑張る、って、また気が抜けない日々が続くのか。
「もうやだ、受験」
「ちょっとテル、大丈夫?」
「雄飛、どうだった?」
「まあまあ」
と、さっさと去る秋野。
あれから秋野は、私たちのグループにも入らなくなった。
私が、私だけ避けられてる?
「おかしいな、あたしが見たところ、かなりいい感じだったと思ってたのに……」
「きのせいだよ、楓の」
そうかな、と首を傾げる楓。
私も、あの日まではいい感じだった気がするんだよ。なのに、どうしてこうなっちゃったのかな。
ズキリと、胸が痛む。
受験のせいなら、終わった時に戻れるかな。イヴの日とは言わないから、クラス委員をしていた頃の関係にでも……。
センター試験が終わっても、合格が決まる訳じゃない。まだ油断できない。例えば、落ちた時のために二次試験に備えるとか。
高校生活最後の三学期なのに、何だかただ、辛いだけだった。
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2013.07.23 UP