飛翔――10
受験した大学から合格通知が届いた。
何もかもから解放されたような気分だった。
これであの家から出られる――俺は、自由だ。
そんな気持ちの余裕ができたからか、照山と少し話せるようになってきた。
松山と那弥は地元の大学に進学するらしいから、唯一の理解者である松山と離れることになる。
不安がないと言えば嘘になるけど、あの家から出られるのだから……自分にとっての一番の不安定要素さえなければ、俺はもっと……。
照山に、近づけそうな気がする。
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2013.07.23 UP