■TOP > 義理の母は16歳☆ > 【番外編4】彼女は中学2年生☆【5】
■5−愛里
「彼氏? あれ」
「え? えっと……」
そう言われたら、何になるんだろ。お父さんじゃないし、か、彼氏、じゃない、キャー。
「あれ、絶対に金持ちの坊ちゃんだよ。品はいいし、人間ができてる」
お母さんは勝手な想像を口にしている。お金持ちかどうか知らないけど、人間ができてるのは子供をもつお父さんで大人だから。
「高校生? あれ」
「え!?」
そんなわけないじゃない、車運転してるでしょ! でも、中学生が付き合いそうな範囲だとそのぐらいか。
「……ま、いいや」
聞くだけ聞いてもやはり興味はないらしく、さっさと玄関を開けて家に入って行った。
あたしは少しの間、ひろあきさんの車が走って行った方を見ていたけど、やはり寒いので足早に家に入った。
お風呂で冷えた体を温めてても、部屋に居ても、同じことばかりを考えていた。
『……アイリさんとお付き合いさせて頂いております……』
どういう意味なんだろう。
何でひろあきさんはあんなこと言ったんだろう。
お付き合いって……。
考えてる途中、携帯にひろあきさんからメールが入った。
どうやら、息子さんの機嫌が悪いようだ。
返事を打つのに時間が掛かったけど、何とか返信。
お付き合いしてるってどういう意味か聞きたくて打ったけど、送信する前に消した。
聞くチャンスはあったのに結局聞けず、眠りに落ちるまで、同じことを考えた。
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2012.01.10 UP