TOP > 義理の母は16歳☆ > 【番外編】彼女は野球部マネージャー☆【69】


  69 ようやく要約


 伊吹に会いに行く口実も含め、大志の家庭教師は続けていた。

 夏休み、自動車学校に入ったものの、タイミングがものすごく悪く、なかなか教習時間を入れてもらえなかった。
 更に、吉武は父子家庭だったらしいが再婚でやってきた継母が十六歳で驚いた。

 二学期といえばやはり文化祭からが印象的だった。
 杉山の発言からの仮装喫茶。当日、僕は剣道部だったやつから胴衣を借り、模造刀を帯刀し、語尾にござるをつけてみた。
「姫、お待たせ致した。粗茶でござる」
 みたいな感じで。
 しかし、刀が当たるとか邪魔とか言われて外したら、何だかよく分からなくなったので、垂と胴をつけてみたが、動きにくくなっただけだった。
 その文化祭が終わると一騒動。テレクラ疑惑で吉武は退学ピンチ。校長室に呼ばれた杉山と僕。結局、僕は何の役にもたたなかったが、勘違いだと発覚し、一件落着、退学回避。
 そういえば、継母ちゃんが現れてからか、吉武が女子と普通に話してるのを見るようになったな。

 そして、二学期終業式の日。
 杉山とコンビニにいたら、響から呼ばれて学校に戻ると、吉武が倒れてて、おぶって連れて帰り、自転車を取りに行き、取りに行き……疲れた。
 後日、吉武と響が付き合いだしたと聞いた。


 三学期。吉武や杉山は大学への進学、僕は就職を希望していた。
 センター試験目前の進学組は今までにないオーラを発しながら猛勉強。某学年トップによくバカと言われてる人物が、分からない問題を聞きに来たときは、もう正しい選択すらできないほど切羽詰まってんだろうな、なんて思った。でも、その選択は間違いではない。
 正しいやり方で教えてやると、
「あ、そうか、なるほど」
 と納得。僕が何でできるの? というツッコミを期待していたが、それどころじゃないらしく、すっかり空振り。
 そこにやってきた吉武。大丈夫か? と言いたげな表情でこちらを見ていた。

 そして彼らはセンター試験を終え、僕は就職先が無事内定。その会社名を聞いた誰もがただ驚いていた。

 いよいよ卒業試験の日。
 僕は高校最後の定期テストを本気で挑んだ。個人的には吉武との学力勝負になる。
 結果は――順位には1の数字。僕の勝利だ。吉武は自分の結果を見て首を傾げていた。彼は普段通りの結果だったのに順位だけ落ちていたのだ。
 しかし、どの教科の教師にもあの結果が不正ではないかと疑われる始末。
 実力を証明しただけなのに……誰もがただその結果に驚いていた。

 更に、大志くんの発言で何か感づいた吉武と杉山にようやく彼女の存在がばれ、高校を卒業。二人ともメールをすることはあるが会うことはなくなり、彼らは大学生、僕は入社式を迎え、社会人になった。

 NEXT→ 【番外編】彼女は野球部マネージャー☆【70】

 義理の母は16歳☆ TOP




2012.04.03 UP