FILE:4−2 周防舞子のハナヨメw しゅ……ぎょう?


「私、やっぱり女ですから、だーりんに手料理を作ってあげなきゃですよね?」
 一体、彼女の身に何が起こったのだろうか。
 前回、弁当がなんとかって話だったのに、なぜ、いきなり、手料理という単語が出てくるね?
「もち、裸エプロンですよね? 略してハダエプ〜きゃは〜ん、もぅ、いや〜ん、でふw」
 は、裸エプロン……略してハダエプ。何てハレンチでヒワイで心トキメくステキな――あ、あ……じゃねぇ!!
 つーか、言ってる本人までも悶えてどうする! 何を期待してんだ! 期待するぞ! 何を、色々だ。色々。色とりどりによりどりみどり、脳内はピンク色。
 大丈夫か、俺!!
「ま、今あるのはメイドエプロンですが」
 メイドがハダエプでごしゅりんしゃまりごほふひ――情報処理できてない、俺の脳みそ。
 せめて、まともな文章を打って当たり前の変換をするぐらいの状態を保て!


 ――閑話休題。


「失礼しました。ちょっと脳内が余計であらぬ方向へと発展途上してしまいまして……」
「もう、目がイってたですよ。さすがに引いたです」
 と、笑顔で言うものの、マイちゃんの表情からは、心の壁が一枚張り巡らされていて、警戒されているようにも見えた。
「とりあえず、実家から送ってきたゴマでもイってみたいと思います」
「今、違う変換しなかったか?」
「……気のせいです。じゃ、煎ってきます!」
「行ってらっしゃい」
「違うです! 煎ってらっしゃいです!」
 ……どーでもいいじゃん。そのどうでもよかったことに突っ込みを入れた俺が原因を作ったのか!? いや、どーでもいいんだ。どうでも……。
 つーか、なぜ、実家からゴマ? で、ゴマを煎ってどうする?

 メイドエプロンをクローゼットから取り出し、キッチンの方へ向かうマイちゃん。
 ……新妻、萌え〜w
 っつ、いかん!! ここ数年でかなり自分があらぬ方向へ踏み込んだか、よく分かる。気付きたくなかったけど、マイちゃんほど重症ではないと思うからいいか。いいのか。まぁいいじゃないか。いいことにしよう。
 つーか、俺の趣味ってどうなってる、現在。

 何だかごちゃごちゃと葛藤していると、キッチンの方からパチパチと何かがはじける音が聞こえた。
「きゃ〜いやぁ〜ん」
 彼女の甘ったるい悲鳴も一緒に。
 実は引火した音だったりしたらマズい!
 俺は慌てて彼女のいるキッチンへと駆け込む。
 すると――、
 ゴマの入った鍋を振るいながら弱火にかけている、という状態。まぁ、これは普通だ。母親がそんなことをしている光景を子供の頃に何度か見たことがあるし。
 この光景の中の異常なものと言えば、鍋の外へと弾け飛んでいるゴマの方だ。
 なぜ、弾けて飛ぶんだ! 母さんがやってた時には飛んでなかったぞ!
「うふふふ、なに、これ〜w きゃはははは」
 ガスコンロ周辺、床へとどんどん落ちていくゴマ。
 つーか、火を止めるとか、蓋をしてみるとか、回避方法はあるだろ! なぜやらない、マイちゃん!
 ……ま、まさか……。
「あは〜ん、面白いですぅ〜」
 お・も・し・ろ・い?
 料理しようなんて言い出したことを忘れ、遊びと化してしまっているじゃないか!


 鍋から黒煙が上がりだした頃、彼女はようやく火を止めた。
「……」
 俺は……何も言えず、何もできず、ただ、立ち尽くしていた。
 ガスコンロ周辺、床にはゴマ、ゴマ、ゴマゴマゴマゴマゴマゴマ。
 足の踏み場もないぐらい、ゴマが落ちている。はだしで歩いて足の裏にくっついたら気持ち悪そうだ。
 で、どうすんの、これ?
「……だーりん、くろぜっとから掃除機をお願いしたいです」
 や……やっぱり?
 さすがに、動く気にもなれないので、
「自分で行ってよ」
 と丁重にお断りした。んだけど、
「だーりんの方が近いじゃないですか。それに、私が動くと……大変なことになりますよ?」
 彼女が言うことがどう大変なことなのかは容易に想像できる。
 ――足の裏にくっついて、被害が広がるんだ。
 俺はゴマが落ちていないところを歩いて部屋に戻り、クローゼットから掃除機を取り出し、キッチンへと持っていく。
「持ってき――」
「そのまま、そっちからごーっと吸い込んで下さい! 私が動けないです!」
 ……やっぱり?

 ゴマは全部飛ばして遊んでしまったので、食べれないし……いや、ゴマだけ食ってもどうかと思うけどね。そのうえ、その後始末――掃除をさせられるとは、どういうことだー!!
「あ〜面白かった。またやろっと」
 何だか、くやしい。
 つーか、やるなら俺がいない時にしろ!
 いや、二度とそんな無駄な行為はするな。
 以上。

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